はじめまして。プラハに留学中の大学院生が書いております。
ほんとうはプラハに着いたらいち早くブログかなにかを立ち上げてやろうと思っていたんですが、ネットが繋がらない、ブログというものがイマイチわからない、毎日なにやらウェルカム・パーティーがあってモノを書く時間も余裕もない、ということで、いつのまにかチェコ入国から12日も経ってしまいました(9月15日夜8時に到着)。
12日。あっという間でしたが、中身はやはりそうとうに濃厚でした。それをひとつの記事にまとめるとなるとかなり大変なので、まぁのちのち触れることにして、今日はとにかく初投稿ということで、気楽にざっくりと書いていこうと思います。
…やっぱり初めは自己紹介でしょうかね?
ぼくはミラン・クンデラという小説家が好きでチェコに来ました。少なくとも公式にはそういうことになっています。彼はチェコのブルノという街出身で、いまはフランスに住んでいます。代表作はやっぱり『存在の耐えられない軽さ』かな。すごくおもしろい小説です。もう80歳を越えたおじいちゃんですが、今年なんとまた新しい小説を出しました。なかなか頑張りますね。ぼくはまだ読んでないですが。
クンデラをはじめて読んだのはもうかれこれ5年前。じつはヴェネツィアで読んだんですよ。というか当時はヴェネツィアに留学していたんです(つまり今回で留学は2回目なんですねぼく。このことはすごく大きいです。はじめてじゃないというのは)。でもじっさい、その時はクンデラを追ってチェコに来ることになるとは思ってもみませんでした。ただものすごい衝撃を受けたことだけははっきり憶えています。その衝撃が音叉の震えみたいにまだじんわり続いてるんですね。それがなければチェコになんて来てないです。
こっちではカレル大学というところに所属しています。いちおうチェコでは1番有名な大学です。中央ヨーロッパで1番古い大学でもあります。創立1348年。カレルとは、有名なカール4世のこと。チェコ語でカレル。英語でカール。フランス語ではシャルル。ちなみにまだ授業には1度もでていないので、どんなところなのかはまだよくわかってません。
…自己紹介はこのへんにして、チェコに到着して間もないあたりのことを書きましょうか。
15日、空港にはあるチェコ人女性が車で迎えに来てくれました。彼女は本名ミハエラ、愛称ミーシャといって、ぼくと同い年で、背が高く(たぶんぼくよりも高い)、髪の長い、顔立ちの整った少しシャイな女性。じつはぼくの所属する学部にはチューター制度というものがあって、留学生ひとりにつきチェコ人学生がひとり、チューター(世話係)としてバディーを組むことになっているんです。それでどうやら有り難いことに彼女がぼくを選んでくれたというワケ。日本文化に興味があるらしく、プラハ空港からぼくの寮までの車内では、宮崎駿とか押井守とか黒澤明の映画の話題に花が咲きました。
次の日(16日)もたしか、ミーシャといっしょにいたと思います。寮での手続きなど、事務的なことはぜんぶ彼女にまかせっきりでした。なんせ寮のレセプションは英語が話せないんだから。先が思いやられます(ちなみにぼくはまだほとんどチェコ語がわかりません)。手続きが終わったあとはふたりで街に繰りだしました。たしかその時こっちの携帯を買ったのかな? ZTEという会社のもの。スマホなんだけど、日本円で1万円もしなかったですね。安い。
携帯のあとは、チェコの伝統料理が食べられるレストランへ連れて行ってもらいました。地下は洞窟のような内装の小洒落たお店。おいしいチェコビールとスヴィーチコヴァ・ナ・スメタニェ(野菜とサワークリームを煮込んだソースを牛肉にかけた料理)を食べながらミーシャと話していると、突然、彼女の口から驚きのひと言が。
「私の夫もじつはカレル大の学生で……」。
そう、彼女はすでに結婚していたのです。学生結婚。しかも話をきくと、ちょうど三ヶ月まえに! 旦那さんはニーチェを勉強していて、黒澤映画をすべて観ているそうです。いやはや、興味ぶかい。でもショックはショックでしたね、やっぱり。だって男だったら誰だってすこしは期待するでしょう(じっさいチューターとつき合いはじめるということは珍しくないらしい)。まぁ致し方ないけど、ちょっとぼくの期待は裏切られるのが早すぎました。最近、まわりの女の子の結婚やら婚約が増えてきたんですが(そういう年齢です)、まさかチェコまで結婚ラッシュの波が追ってくるとは。
ミーシャとは、今後は家族ぐるみのつき合いになりそうです。
(写真はプラハでほとんど最初に撮ったもの。ほんとうにとりとめもない雑記になってしまいましたが、今日はこのくらいでお許しください。それではまた。)
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